皆さんこんにちは!しらしぐです。
今回は、低コストで株主優待をGETできる『クロス取引』について説明します。
クロス取引は、株価変動リスクをとることなく株主優待をGETすることができる取引手法です。
少しばかりコストが発生してしまいますが、株主優待で得られるメリットのが大きいですので、チャレンジしてみてください。
※投資は自己責任でお願いします。
株主優待投資のメリット・デメリット
初めに、私が考える株主優待投資を行う場合のメリット・デメリットを記載します。
デメリットから見てみましょう。
✖デメリット✖
1. 権利落ち日に株価が大きく下がり、含み損が発生する
→権利落ち日前に購入し、権利落ち後も含み益がある場合は
「インカムゲイン(配当金)」「キャピタルゲイン(値上がり益)」
「株主優待」の3つすべてを得ることができます。
しかし、権利落ち後に株価が急落し、結果的に含み損となってしまう場合や
○○ショックが発生し、株価が暴落する場合もあり得ます。
2. 銘柄管理が大変
→株主優待は100株以上で権利を獲得する銘柄が多いですよね。
10万円以下で買える手ごろな銘柄も多いです。投資の基本は「分散」
ということもあり、徐々に保有銘柄が増えてくると銘柄1つ1つの決算や
IR情報を見ている余裕がなくなってきます。
3. 株主優待の廃止
→最近では、株主優待の不公平感から株主優待を廃止する傾向にあります。
例えば、オリックスも2024年3月末で株主優待を廃止することを公表
しています。株主優待が廃止されると株主優待目的で保有していた
個人投資家が売却してしまうので、結果的に株価が低下します。
このように記載しましたが、「価格変動リスク」が主と思います。一方、メリットは
◎メリット◎
1. 日用品をもらえる
→自社で作っている製品を株主優待としてもらえ、お米や調味料、タオル、
シャンプーなど普段使いするものをもらえます。中には、
「使ってみたいんだけど価格がちょっと…。」という商品ももらえる場合もあります。
2. カタログギフトや地方名産品をもらえる
→株主優待として定番なのがカタログギフトです。様々な商品から自分の好きな
商品を選択できるので、普段食べることのないような商品や地域の名産品を
もらうことができます。また、地方に本社を置く会社はその地方の特産品を
優待としてもらうことができます。
3. 割引券や金券でお得に外食やお買い物ができる
→回転すしで有名なカッパ・クリエイトや吉野家などは株主優待として
お食事券をもらうことができます。その他、割引券や金券(ギフトカード、
QUOカードなど)ももらうことができます。
普段食べれないようなものや普段使いするもの、お得に外食・お買い物が楽しめることがメリットと思います。
クロス取引を行うと少なからずコストが発生しますが、デメリットの「価格変動リスク」を抑えることができるので、価格変動を気にせずに株主優待をGETすることができます。
では、クロス取引とは何か?コストはどのくらいか?といったところを紐解いていきましょう!
クロス取引とは?
クロス取引は一言でいうと「つなぎ売り」とも呼ばれ、「現物買い」と「信用売り(空売り)」を同時に行う方法です。この役割は、
現物買い→株を保有し、株主優待の権利を獲得する役割
空売り →あらかじめ株を売ったことにでき、株価下落の損失を帳消しにする役割
です。この2つの操作を同時に行うことで、株主優待をGETすることができます。
本当に損失が出ないか不思議ですよね?実際に計算してみましょう!
100株で10,000円(100円/株)としてクロス取引を行った場合を想定してみましょう。
クロス取引した翌日に▲50%(-50円/株)となったとします。この場合は、
現物買い:5,000-10,000=▲5,000
空売り :10,000-5,000=+5,000
損益 :-5,000+5,000=±0
この逆も計算してみましょう。翌日に+50%(+50円/株)となったとすると、
現物買い:15,000-10,000=+5,000
空売り :10,000-15,000=▲5,000
損益 :5,000ー5,000=±0
不思議ですね。どんなに株価が変動しても損益は「0円」です。これが、クロス取引(つなぎ売り)で「価格変動リスク」をなくす手法となります。
クロス取引で発生するコストは?
クロス取引を行うとどのようなコストが発生するのか?
確認していきましょう!発生するコストは以下の通りとなります。
1)現物買い、現物売りにかかるコスト
2)信用売り、信用買いにかかるコスト
→1)、2)共に株の売買に必要なコスト。
3)空売りの貸株料
→お金を借りることになるので、その金利分です。
大体2~3%程度で、約定金額に対し日割り計算(土日祝含む)されます。
4)配当落調整金(一時的に拘束、翌年に自動返金)
→配当金に関する税金分です。源泉徴収で自動返金されます。
5)逆日歩(証券会社の株在庫次第、発生しない場合もあり)
→詳細は省きます(コストについては後述します)。
最後の5)については、「制度」信用制度(貸付期間がある取引)を利用した場合に発生する可能性のあるコストです。クロス取引を行う場合は「一般」信用制度(貸付期間がない取引)を利用すると覚えましょう!
実際にどのくらいのコストになるのか、株主優待で人気の「吉野家ホールディングス(以下、HD)」で計算してみましょう。
株価(4/28終値):2,512円
現物売買手数料:550円
信用売買手数料:550円
貸株金利(一般信用):3%
1日当たりの貸株コスト:20.6円
(計算式: 株価 × 信用取引株数 × 貸株金利 × 信用取引日数/365)
合計:1,121円
信用取引期間を1日とすると大体1,100円です。吉野家HDは100株で2,000円分のお食事券をもらえるので、900円程度お得になります!
一般制度取引では貸株在庫がないとクロス取引ができません。株主優待が人気の銘柄は競争率が高いので、大体2~3週間前(人によってはそれ以上前)からクロス取引を行うとよいと思います(それでも在庫がない場合もあります)。銘柄の金額次第ですが、1日当たり20~30円程度のコストが追加になりますが、それ以上の恩恵はありますね!
対策として、複数の証券口座を保有する方法がおすすめです。例えば、楽天証券では一般信用制度ができなくても、SBI証券でできる可能性もあるからです。
また、一部の証券会社では1日当たりの合計約定金額が100万円以下の場合は株の売買手数料が無料となります。この場合は、貸株手数料のみのコストで、数千円分の株主優待を得ることができます!本当にお得ですね。
いかがでしたでしょうか?
今回は、クロス取引について紹介をさせていただきました。
お問い合わせよりコメントなどを頂ければ励みになります!
最後までお読みいただきありがとうございました!
【参考】逆日歩が発生した場合の追加コスト
参考までですが「逆日歩(ぎゃくひぶ)」についてまとめます。
逆日歩が発生する条件としては、
・制度信用を利用した取引を行っている
・証券会社が準備した株数以上の取引が行われる(株不足)
主にこの2つです。不足している株数は日本証券金融会社(日証券)より調達し、制度信用売りを利用している投資家が調達したコストを負担する。これが逆日歩となります。
では、逆日歩が発生すると追加のコストはどのくらい必要なのか?確認してみましょう。
日本マクドナルドの現在(4/28)と権利獲得当日(2022/12/28)で比較します。
日付 | 2023/4/28 | 2022/12/28 | |
逆日歩 | 円/日 | 0.1 | 60 |
一日当たりのコスト | 円 | 10 | 6,000 |
現在は一日当たり10円ですが、権利当日となると600倍に跳ね上がります。また、一日当たりなので、信用売りをしている期間中かつ逆日歩が発生している限り、追加コストとして支払が必要です。
逆日歩の発生有無および金額は「取引期間中には分かりません」。翌日以降に発生と金額が確定するので場合によっては数千円が数日間継続するケースもあります。
制度信用と一般信用でクロス取引の魅力が大きく違ってきますね。特に理由がない限り、クロス取引は一般信用取引で行いましょう!一般信用での在庫がない場合は、「他の証券会社をチェックする」「今回はあきらめる」などを検討してみてください!
いかがでしたでしょうか?
今回は、クロス取引のメリット・デメリットやコストについて紹介をさせていただきました。
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最後までお読みいただきありがとうございました!